コラム
O脚やX脚は膝ではなく実は股関節や足が問題になっているかも?
京橋にあるパーソナルコンディショニングジムCompathの辻です。
脚のラインがきれいに見えないということでO脚やX脚で悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
以下の写真のように脚と脚の隙間が開いている状態、いわゆるO脚と言われるものですね。
また、このO脚は見た目だけでなく、膝関節にとってあまり良くない姿勢でもあります。
O脚やX脚というと膝あたりにばかり注目しがちですが、実は問題となっているのは股関節や足元ということはご存知でしょうか?
今回はそのあたりについて書いていこうと思います。
そもそもO脚・X脚ってどのような状態?
日本整形外科学会によると、以下のように定義されています。
・「O脚(内反膝とも言われる)とは、両膝が外側に彎曲した状態で、左右の内くるぶし(足関節内果部)をそろえても、左右の膝の内側(大腿骨内果部)が接しないもの」
・「X脚(外反膝とも言われる)とは、両膝が内側に彎曲した状態で、左右の膝の内側(大腿骨内果部)をそろえても、左右の内くるぶし(足関節内果部)が接しないもの」
症状としては下肢の形態的な異常のみの場合がほとんどなので、見た目的な部分を気にしなければ特に問題とならないケースが多いかと思います。ただし、変形が進行すると痛みや機能障害を呈するようになります。
O脚・X脚に加えてXO脚というものもある
大きく以下の3つに分類することができるかと思います。
・O脚
股関節が外向きになっており、膝のお皿(膝蓋骨)も外側を向いたような姿勢です。両足を揃えても膝がくっつきません。また、骨盤が後傾し、猫背でもあることが多いのが特徴です。このような典型的なO脚の場合は関節疾患(変形性膝関節症など)を患っている方や高齢の方に多く見られます。
・XO脚
股関節は内側を向き、ひざ下のすね(脛骨)が外にねじれているような姿勢です。両脚を揃えた際に太ももの隙間はないが、脛の間が広がっているような形になります。医学的な名称はありませんが、先天的、後天的を含めて病的なものを除けば脚のラインで悩んでいる方の多くが該当するかと思います。
・X脚
股関節は内側を向いており、膝のお皿(膝蓋骨)が内側を向いたような姿勢です。両脚を揃えた場合、ぱっと見ではXO脚と混同しやすいですが、内くるぶしがくっつかない場合はX脚、くっつく場合はXO脚となります。
O脚・X脚になる原因は膝ではなく股関節と足
O脚・X脚・XO脚の原因ですが、主に構造的な問題と機能的な問題に分けることができます。
1)構造的な問題
こちらは先天的なもの、後天的なものを含めて病的な大腿骨・脛骨の形態異常により問題となっている場合です。先天性股関節脱臼、Blount病(ブラウント病)、変形性膝関節症、事故などによる変形などが挙げられます。
変形性膝関節症などは後に述べる機能的な問題が長期にわたって解消されなかった場合に、構造的な問題へと悪化したケースとしても考えられます。
これらは程度にもよりますが、手術などによる処置が必要な場合があるため、膝に痛みを伴うことや膝関節の動かしにくさなどの症状が長期にわたり継続している場合は、先ずは整形外科を受診し、医師の判断を仰ぐ必要があります。
2)機能的な問題
こちらは日常生活での身体の使い方や姿勢などの影響や筋力や柔軟性などのバランスが崩れてしまって後天的に問題となっている場合が多く、トレーニングによる改善効果も見込みやすいと思います。そして使い方や筋力・柔軟性のバランスの崩れは膝関節ではなく、股関節や足部で起こっている場合が多いです。
膝関節は単軸関節といい、曲げる(屈曲)と伸ばす(伸展)の動きしかできない関節です。そのため構造的な問題がなければ、正面から見た際に膝を外側に傾けるというような動作は行えません。では、なぜO脚やX脚のように膝が傾いているのでしょうか?
それは膝ではなく、股関節や足関節の影響によって膝のポジションが決まるからです。
実際に試しながら確認してみましょう。
つま先を外に向けるようにして立ち、膝を軽く曲げます。O脚のような見た目になりますよね。次につま先を内側にして、少し膝を曲げてみましょう。X脚もしくはXO脚のような見た目になると思います。
今度はつま先をまっすぐに向けて立ちます。そのまま足の小指側を浮かせるようにしてみましょう。X脚もしくはXO脚のようになったのではないでしょうか?逆に親指側を浮かせて小指側で支えるように立つとO脚のようになるかと思います。
疑似体験的なものですが、股関節と足による膝関節への影響は体感できるかと思います。
このように、日常生活での身体の使い方や姿勢などの影響で股関節や足部において筋力や柔軟性などのバランスが崩れたり、間違った使い方が身につくことによって、XO脚となっているケースが多い印象です。
まとめ
O脚、X脚、XO脚といった脚の姿勢は股関節や足部の影響を受け、その結果として膝関節が犠牲者となっているような形です。
膝関節の健康のためにはもちろんのこと、これらは脚のラインにも影響してきます。太ももの前の張りや太もも横の張りはこういった脚の姿勢が影響しているかもしれません。
気になった方は一度ご自身の脚のラインについてチェックしてみてくださいね。
また、ご自身の脚のラインを解消してみたいという方は、体験もご検討ください!
- 引用ウェブサイト -
公益社団法人日本整形外科学会.症状・病気をしらべる.「O脚・X脚」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/bowleg_and_genu_valgum.html,(参照2024-05-15)
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