コラム
実は腰痛を抱えている人々のうち約85%は原因が不明?
「身体の不調を改善し、整える」
京橋にあるパーソナルコンディショニングジムCompathの辻です。
実際に腰痛を発症して整形外科に行き、医師に診てもらい、薬を出しておくんでしばらく安静にして様子を見てくださいと言われ、その通りにしていたら症状が軽減していったなんてことはありませんか?
このような場合、おそらくレントゲン等の画像検査では異常がなく、「非特異的腰痛」に当てはまるものだったのではないかと考えられます。
非特異的腰痛とは
腰痛のうち、レントゲン等の画像検査にて骨の変形や関節の隙間が狭くなっているなどの変化が認められ、その病態が明らかにされるものは約15%程度とされており、残りの85%程度はレントゲン等の画像検査にて変化が認められず、病態が明らかにされない非特異的腰痛と呼ばれます。
つまり、原因がはっきりしないということです。このような場合は安静や投薬にて経過観察とされ、多くの場合それで腰痛の症状は軽減してくことが多いようです。しかし、原因が未解決なため、再び何かがきっかけとなって再発するケースもあり、そのような場合は原因が解消されない限り、再発を繰り返すこととなりかねません。
非特異的腰痛の原因を探る
非特異的腰痛については、レントゲン等の画像検査にて変化が認めらないということですが、これはつまり構造的な問題がないということです。
建物で考えると床や柱などに使われているの木材にあたり、木材自体に亀裂や曲がりなどの問題がないということになります。家の骨組みに使う木材にそもそも問題があると地震や台風が来た時に家が崩壊してしまいかねませんよね。
そして、その組み方や配置も重要です。強くて問題のない木材でも組み方や配置によっては家としての強度はかなり変わってくるはずです。例えば、とても強い柱が緩みのある状態で取り付けられていたらどうでしょうか?柱自体には問題ありませんが、家を支える上ではその強さも十分に機能しないのではないでしょうか。
これは身体においても同様で、木材にあたる骨や関節に異常はなくとも、その骨や関節をつなぎ、運動を行う筋肉の状態によって身体の強度も大きく変わると思います。この筋肉の状態は構造的な問題に対して機能的な問題と言えます。
機能的な問題
では、この機能的な問題とはどのようなものなのでしょうか?
大まかに挙げると下記のようになります。
●柔軟性
●筋力
●コントロール
例えば、腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)や大腿直筋などの股関節の前についている筋肉の柔軟性が低下し、伸びにくくなったとしましょう。そうするとまっすぐ立った際に腰を反らせるような力がかかりやすくなります。その状態でいると腰椎(腰の背骨)の関節に負担がかかりやすくなり、腰痛へとつながる可能性があります。
別の例ですと、ハムストリングスという太ももの後ろの筋肉の筋力が低下しているとしましょう。前かがみになった際にこのハムストリングスで十分に支えられないため、腰周辺の筋肉への負担が増し、そのあたりの筋肉を痛めることにつながりやすくなります。
では柔軟性が低下したり、筋力が低下したりする原因は何なのでしょうか?
機能的な問題を引き起こす原因
●生活習慣による環境的な要因
●姿勢などによる物理的な要因
●筋力・柔軟性などの体力的な要因
●心因的な要因
●その他の要因
上記に挙げたような要因が機能的な問題を引き起こす原因となりえます。
仕事や普段の生活で繰り返している行為などの環境的な要因から、不良姿勢などによる物理的な要因、運動不足や加齢による筋力や柔軟性といった体力要素的な要因、心理的な要因など、一つの場合もあれば様々な要因が関与して腰痛という問題を引き起こしていることが考えられ、人によっても異なります。
まとめ
腰痛の原因というのはこのように多岐にわたります。
先ずは、ただやみくもに腰痛に良いとされるアプローチを盲目的に行うのではなく、まずは自身の身体の状況を見つめることが重要になります。自身の身体の状態をしっかり把握することで、少しでも原因としての確率が高いと思われる要因が浮かび上がってきます。
また、その要因についてもアプローチできるものとできないものがあると思います。
例えば介護職などで利用者の方を前かがみで抱えるという腰に負担がかかりそうな動作は、辞めれば当然腰への負担が減りますが、そうはいかないということがあると思います。これはアプローチできないことですよね。
一方で前かがみの姿勢に対する身体の耐性を上げるために筋力を強化する、疲労した筋肉のケアをしてあげるということはアプローチできることだと思います。
腰痛の原因として確率の高いと思われる要因から、アプローチできるもの、これだけでもある程度絞り込むことができます。
体験の〈腰痛改善プログラム〉でも専門トレーナーによる腰痛についての評価やそれに対してのアプローチについてご体験いただけます。自身の腰痛について不安のある方はぜひ一度ご利用ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(文/辻)
<参考文献>
・金岡恒治,腰痛の病態別運動療法 体幹機能向上プログラム,文光堂,2016.
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